LT14:15 UTC18:15 日本時間:2月21日 03:15
緯度:35-46,5S 経度:44,29,8W
天候:BC 風:南西3,5kt 気圧:1017hp 気温:26℃ コース:325度 艇速:4,1kt
予想道理、凪につかまった。
C0(コードゼロ)をあげて奮闘中。
しかし、気持ちもイラつかず落ち着いていられる。
心が乱れず私の中心にちゃんとある。
これも修行のたまものかな。
今日は凪を楽しめたようだ。
これから風がSEに変わってる予定。
早く変わってくれないかと、願っている。
午前中はすばらしい天気だった。
空は青く水平線に白い雲が浮いている。
海はどこまでも蒼かった。
うねりも少ないほうだ。
船の後ろに置いてある、スピンネーカーを前に移動する。
これからアップウインドの連続になるだろう。
コンピューターの予想航路はのこぎりみたいにジグザグである。
タック、タックの繰り返しで北上しなければならない。
高気圧と陸の間の、わずかな風を狙って走るしかない。
大変だが、やらねばならないのだ。
オートパイロットの付け根を調整する。
カタカタと、音がしていたが、それがなくなって、今はスムースに動いている。
かなり、暖かくなってきた。
残り少ないオレンジを食べる。
この暑さでは一気にダメになるだろう。
昔から、デッキでオレンジを食べるのが好きだった。
デッキに腰を下ろし、足を海に投げ出して、生きたオレンジをほうばる。
実にうまい。
考えれば、この船で生きているものは少ない。
僕と、このオレンジぐらいかな。
後は全部レトルトだ。
いわば同士の様なものだ。
一口ひとくち、命を繋いでいる感じだ。
陸ではなかなか味わえない感覚である。
生命の繋がりを実感できる。
そのおいしさと生命の輝きに感謝だ。
康次郎
写真:白石康次郎(撮影:CANON EOS KISS デジタルX)